消費税法上、軽減税率となるのか?標準税率となるのか?よくわかりません。事例問題をまじえて解説します。


 2019年(令和元年)10月1日に、消費税率の改正に伴って、軽減税率制度も開始されました。日本の消費税法では、これまでは、単一の税率(正確に言うと輸出の0%課税もありますね。)とされてきましたが、同日から、複数税率も導入されたことになります。これにより、ただでさえ難解な消費税法にさらに混乱する要素が加わったことになります。当サイトでは、軽減税率か?標準税率か?取引の事例をまじえて解説したいと思います。

 まずは、基本事項の確認です。
 2019年(令和元年)10月1日より、標準税率は消費税7.8%、地方消費税2.2%となりました。これに対して、正式名称「軽減対象資産の譲渡等」となるものについては、原則である標準税率に関わらず、消費税6.24%、地方消費税1.76%となります。なお、旧税率である消費税6.3%、地方消費税1.7%とはしっかり区別しなければなりません。
 この「軽減対象資産の譲渡等」とは、「飲食料品の譲渡」となるものと、「週2回以上発行する新聞の定期購読契約」が該当します。
 当サイトでは、間違えそうな部分を事例を通じて、みなさんと確認できればと思います。


事例問題1)
・食品加工用のブランデー・チェリー酒の販売は、軽減税率ですか?標準税率ですか?
・回答:標準税率です。
・解説:「飲食料品」とは、「食品表示法」に規定する「食品」をいいますが、「酒税法」に規定する「酒類」はこの「食品」から除かれます。よって、軽減対象資産の譲渡等に該当せず、標準税率となります。なお、販売したものが「酒類」そのものである以上、食品用かそれ以外かの「用途」は税率の判定には影響しません。

事例問題2)
・ベーキングパウダー(主成分:重曹・炭酸水素ナトリウム)の販売は、軽減税率ですか?標準税率ですか?
・回答:軽減税率です。
・解説:「飲食料品」とは、「食品表示法」に規定する「食品」をいいます。「重曹」の名で、ドラックストアなどで売られている場合もありますが、医薬品、医薬部外品、再生医療等薬品は、この「食品」からは除かれます。今回の「ベーキングパウダー」は「医薬品」というよりも、「食品衛生法」に規定するパンを焼くための「食品添加物」に相当するものと解されます。よって、「食品」であり、「飲食料品の譲渡」であるため、軽減対象資産の譲渡等に該当し、軽減税率となります。
 ちなみに、重曹は食品用であったり、または、洗浄剤の用途としても家庭や製造業などで活用されたりしますが、売り手が「販売(資産の譲渡等)の時点」に、添加物=食品として販売すると軽減税率、洗剤=食品以外として販売すると標準税率といった具合に、税率区分の判断が分かれますので留意下さい。

事例問題3)
・お弁当に用いるプラスチック容器の販売は、軽減税率ですか?標準税率ですか?
・回答:標準税率です。
・解説:飲食料品とは、「食品表示法」に規定する「食品」をいいます。よって、容器そのものは、軽減対象資産の譲渡等に該当せず、標準税率となります。
この場合、「用途」は影響しません。

事例問題4)
・プラスチック容器に入っているお弁当の販売(コロナ感染対策のため店頭販売でお持ち帰り専用)は、軽減税率ですか?標準税率ですか?
・回答:軽減税率です。
・解説:飲食料品とは、「食品表示法」に規定する「食品」をいいます。よって、軽減対象資産の譲渡等に該当し、軽減税率となります。
この場合のプラスチック容器は「販売に付帯して通常必要なもの」であり、別料金を徴収していないため、持ち帰りお弁当全体を軽減税率として差し支えないことになります。
なお、「別売り」の保冷剤は、お弁当と区別して取り扱い、保冷剤自体は食品ではないことから、標準税率となります。また、贈答品などで、お弁当を食べた後の「再利用してもらうがそもそもの目的」の陶磁器・容器などは、「一体資産」としての判定が必要です。後で事例問題を通じて解説します。
事例問題3とあたまがごちゃごちゃになりますね。もっと事例問題に触れて、軽減税率制度・複数税率制度の理解を私と整理しましょう!

さらにレベルの高い事例問題が出てきますよ〜!ついてきてくださいね。
軽減税率制度・複数税率制度の事例問題について、まだまだ続きがあります>>


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2021年5月24日