日本の会計基準は細則主義ですが、IFRSが原則主義をとるのはなぜですか?


 日本のように「細則主義」(詳細な罰則規定だが、記載のない事は問題とすることができない)をとると、ルールブックがいたずらに分厚くなった上に、グレーゾーン的な法律の抜け目をついたような不正会計も横行してしまったからです。
 この細則主義の問題は、会計の世界だけではありません。近年では、脱法ハーブで注目を浴びている「薬事法(薬物の化学式)」違反の問題や、無免許者の交通事故の罪の程度の解釈問題などがありました。
 重大な事件の方が、かえってグレーゾーンが生じやすくなっている状況であり、ようやっと問題視され始めてきています。
 会計での問題では、米国のエンロン事件が最も有名ですが、日本でもグレーゾーンをついた不正会計事件は後を絶たない現状です。特に「有価証券報告書」に関する会計基準の違反行為が多い状況です。

  そこで、細かい部分は、会社や経理部の「裁量」にまかせる代わりに、「大原則」からそれることは絶対に許さないこととしたのが、「原則主義」です。


<では、日本の上場企業に導入するとどうなる?>
 これには社員総動員でのIFRSの理解とモラルの徹底が必要です。さらに、コストも相当なものになるとみられています。
 特に経理等の会計屋さんには、なぜそう経理したか?どうしてこの測定値なったか?まで説明することが要求され、より高度な知識と経験が不可欠となります。
 今までは経理部がよその部門に協力要請するといったら、期末在庫棚卸の実地調査くらいだったかと思いますが、IFRS導入後は、全社的な経理部へのサポートが必要になってきます。
 例えば、上場企業では、以下のような対応が必要となるでしょう。
・営業部SCM部は得意先の商品検収状況を把握し、経理部に逐一報告する
・または、得意先との検収状況をネットでつなぐなど、情報システム部がインフラ構築する
・生産技術部は固定設備資産の適正な耐用年数の見積もりをして、経理部に報告する
・人事・労務部は有給休暇取得率の把握し、経理部に報告する。
・上場企業の幹部はもちろん、経理部以外の各部の中堅社員も全員、会計知識(IFRS)を理解しておく必要がある
 もちろん、各部、本業での成果も求められるので、たいへんです。そしてその追加労力はやはり残業代や資格手当に転化するので、コストもIFRSで増大することになります。
★このように、上場企業はたいへんらしいです。では、個人事業主や中小企業はどうなるのでしょう?
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2021年5月24日