収益の計上で実現主義をとるのはなぜですか?

 実現主義とは、収益計上の原則的概念とされており、財貨又は用役の移転、及び貨幣性資産の取得があった際に収益計上するというものです。採用の理由は以下の通りです。

1.利益操作(粉飾・逆粉飾)させないためです。クリーンで誤解のないディスクロージャーが求められるため、無い利益を有る様に見せり、有る利益を無いように見せたりするのはNGと言う事になります。特に、投資家にとっては重要なポイントとなります。
2.客観性と立証可能性を兼ね備えているためです。売上げの際に、領収証やレシートを渡すのはこのためです。
3.内部利益や未実現収益を排除するためです。1.と違って悪意がなくとも、子会社や部門間での内部取引による影響は相殺して除去されます。
4.継続企業の公準によるためです。貨幣性資産の取得という裏付けや根拠のない収益を計上すると、配当や税金の支払いで資金が社外流出し、会社の存続に影響するからとも考えられます。
5.販売・検収という経済的実態を適切に反映できるからです。日本の会社では出荷の時点で収益計上する「出荷基準」がメジャーですが、IFRSアドプション後はNGになるはずです。面倒ですが、得意先との検収確認が必要となります。
6.実現主義で収益計上し、計算した利益の性質として、業績指標性も処分可能性も満たすからと言えます。経営管理や投資指標、配当性向の分析など幅広く利用できるデータとなります。
7.概念フレームワークでいう「投資のリスクからの解放」という概念と調和するからとも言えます。IFRSアドプションとも調和します。
 以上のように、視点によって理由を多数挙げられ、発生主義や現金主義などよりも収益計上においては優れているとされるため、実現主義が採用されるのです。




 取引によっては実現主義を取らない場合もあります。請負工事契約の工事進行基準や、割賦販売の回収基準・回収期限到来基準など、取引の実態を示すためあえて実現主義によらない場合もあるわけです。


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最終改訂2013/2/18

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