「印鑑」(押印・ハンコ)のルールがよくわからないのですが?


さて、
2020年にコロナウィルスが発生し、テレワーク推進などから、日本の文化である「押印文化」のあり方が根本的に議論され始めています。
安倍政権から菅政権となり、DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めるためデジタル庁が新設され、また、総務省など関係機関でも印鑑に関する法律の改正が今後されようとしています。
アジア圏特有の「押印文化」は完全に消えて無くなるのでしょうか?
答えは「No」だと思います。
少なくとも、「押印」・「捺印」のビジネス慣習は、数年内は現状のままでしょうし、デジタル認証(デジタル印章)として形を変えて残ると思われます。

原因は、まだ「AI認証技術」が日本では未成熟であるからです。

例えば、
銀行で現金を出金する際に、三井住友銀行(SMBC)などでは、「自筆のサイン」によるAI認証がされ始めていますが、私の場合(2020年9月時点)何度も窓口でサインしましたがエラーが発生し、結局、持参した「銀行印」を押す結果となりました。
私「あらた先生」もそうですが、「Python(パイソン)」などの「コンピューター言語」で「文字認識」をする「AIプログラマー」も、ここ数年で徐々に登場してきていますが、まだまだ人手不足の様子です。
また、政府も重い腰を上げてようやくDXに真剣に取り組み始めましたが、あくまでお役人が考えることですので、AI化による実際の印鑑の押印文化の廃止までには、かなり時間がかかることが容易に予想されます。
よって、まだまだ数年は実際の印鑑による押印文化は続くと思います。
AI認証技術が確立したとしても、デジタル押印やタイムスタンプなどのようになるかもしれません。
よって、現行の「押印のルール・法律」や印鑑に関する基本事項を知っておいて損はないと思います。
このコンテンツには、押印・捺印に関する基本的事項を記載しましたので、是非お読み頂ければ幸いでございます。

  ここから本題の「印鑑」のお話にはいります。
 商取引だけでなく、日常生活にも色々な「印(いん)」の種類や押し方が出てきて、ややこしいですよね。これでいいのかなと不安になることさえあります。1.印の形、2.登記の有無、3.押し方で細かくみていきましょう。

【1.印のカタチからの分類】
 印のカタチ、つまり押したときの図柄を「印鑑」(いんかん)または「印章」(いんしょう)といいます。このカタチには法律的な効力はありません。仮に押し間違って、いつもと違うカタチで押したとしても、法律的に問題になるわけではありません。押した人の常識やモラルが問われる程度のものと言えるでしょう。さて、分類は以下の通りです。
・「丸印」(まるいん)≒社長印(しゃちょういん) : 印章は丸型です。会社や個人事業主の代表印(だいひょういん)となるもので、契約書などの最重要書類はこの「丸印」がもちいられます。市町村役場等での「印鑑証明(いんかんしょうめい)」という登記をした「実印(じついん)」であることが多く、「銀行印(ぎんこういん)」としても使われます。
・「角印」(かくいん)≒社印(しゃいん) : 会社の名前を記すための印鑑で、四角い印章をしています。丸印と違って、印鑑証明した実印ではなく、法的効力はありませんが、会社の発行物であることが受け取り手に伝わりやすいメリットがあります。角印でも「○○株式会社社長之印」として社長印を兼ねていることもあります。
・「三文判」(さんもんばん) : みなさんお馴染み印鑑です。木製又はプラスチック製が主でしょう。個人が使用します。100円均一でも買えます。容易に印章偽造されるため、会社レベルではふつう使用されません。個人の「実印」として印鑑登録することは問題ありませんから、重要な書類にも押す場合もあります。ただ、あまりカッコよくはないので、よく新聞広告等でハンコ屋さんが広告を出してますが、その業者に「丸印」を特注で作ってもらう人も多いですね。
・「ゴム印」(ごむいん) : ラバー製で丸、角問わず存在します。スタンプあるいは朱肉のいらない「シャチハタ」等がこれです。個人の簡易的な押印から観光地の土産屋さんのスタンプまで幅広く用いられています。但し、契約書等の重要書類では一切用いる事ができません。
・「電子認証」(でんしにんしょう): ネット社会ではもはやこれも印鑑と同等物と呼べるでしょう。イーコマースや電子メールで用いられる電子暗号と言った方が正確かもしれませんね。
 数年後の将来はこの「電子認証」が主流となることは間違いないかと思います。税務会計業界では、「e-Tax」の識別番号として利用されています。法人や士業の電子証明の利用も活発になってきました。「マイナンバーカード」の個人番号の電子認証もコロナ禍でようやく認知されはじめましたね。「電子帳簿」(電子帳簿保存法)などの改ざん防止のための「タイムスタンプ」もここに入ると思います。


  【2.印の登記からの分類】
 市町村役場等に届け出ているか、否かの分類で、法的効力の有無が違ってきます。
・「実印」(じついん) : 市町村役場に「印鑑証明」(いんかんしょうめい)として登記(とうき)した印鑑を「実印」といいます。法的権利や義務の証明書類に押印します。よって、何個か印鑑を持っている人が多いかと思いますが、最も重要な印鑑となります。
会社や個人の「実印」として、丸印・三文判を登記します。ゴム印は不可です。実印となる印は、銀行用の「銀行印」とは分けた方が良いとも言われています。盗難・紛失にはご注意を。
・「認印」(みとめいん) : 実印ではないものすべての印鑑をいいます。重要書類には押せないのですが、簡易的な書類の発行者証明に用いられます。印鑑を押すシーンで、「なんでもいいですよ」とか「シャチハタでいいですよ」などと言われたら、この登記していない方の印鑑でも良いという意味です。ゴム印や100円均一で買ってきたような印鑑の利用がイメージしやすいかと思います。

(注)この、実印で押すか?認印で押すか?は法律上極めて重要です。
法律文書なのにも関わらず認印で押した場合には、文書が無効になったり、訴訟などで不利に扱われたり、行政当局などから罰金が科せられたり様々な弊害がありますから、要注意です。
逆に、なんてことない連絡文書程度のものなどに実印をポンポン押すと、印章偽造などのリスクを無駄に負うことになります。あなたの「権利」を主張するためここは慎重に押しましょう。

★次のページで3.「押し方」を説明します。これも、法律上トラブルの元となるため、ここからこそが本当に注意が必要です。
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2021年5月24日