夫婦共働き(ふうふともばたらき)のご家庭における住宅手当などの受給・税金の試算方法など、その他ファイナンシャルプランニング事例について解説します!



【総合的に考える必要があります!】
夫婦で共働きをされているご家庭の場合、旦那様・奥様が、それぞれ、どれだけ働くか?、どれだけ稼ぐか?、どれだけ手当が入ってくるのか?、どれだけ税金が掛かるのか?、そして、落とし穴はないか?
なにかお手当がもらえることになったとしても、どう変わってくるのかわからず、不安や気になることもあるのではないでしょうか?まだ、素直に喜べない状況ではないでしょうか。
ましてや、ウィズコロナ新時代に突入し、元々議論になりやすい共働きの要素に加え、テレワーク・リモートワーク・兼業・副業などの要素も加わり、さらに混沌(カオス)状態となってきましたね。
夫婦2人ともが稼ぐことを前提とした場合、一般的には、世帯や家計全体としてキャッシュフローの増減がプラス方向になっていくようにファイナンシャルプランニング計画を考えるのが基本です。逆に言えば、キャッシュフローの増減がお手当をもらうことによって減少すると試算されるなら、そのお手当はもらわない方が良い(又は労働時間を短縮するのが良い)という考え方へと逆転する場合もあることを意識するとよいかと思います。
奥様が中途半端に稼いだことによって、世帯全体では以前より金融資産(ずばり預貯金と思って良いでしょう)が減少したというケースもあったりします。そうなるとなんのために働いているんだ?ってなりますよね。できるだけ事前に理解した上で、不安の無い状態で夫婦共働きをしたいですよね?このため、夫婦それぞれの会社などからの手当、税金、社会保険料などについて「総合的に勘案」するべきかと考えます。
当サイトのこちらのコンテンツでは、夫婦共働きをするとした場合の総合的な留意点について、事例を用いたりしながら触れたいと思います。


【会社などからの諸手当について】
会社から「基本給」「残業手当」「役職手当」など、働きに応じてお手当をもらうのは周知のことと思います。他にも、「世帯主手当」「燃料手当」「住宅手当」などのお手当もありますよね。
旦那様や奥様がそれぞれ現状でいくらもらっているのか?を確認する方法としては、以下2つがあるかと思います。
1.毎月の給与日に閲覧できる「給与明細書」で確認する
2.内定時にもらった「雇用条件通知書」で確認する
*これから奥様が働きたい場合などは、求人サイトで会社側が記載している福利厚生面を見ると記載されている場合もありますし、記載されていないときは、先方の人事課に直接きいてみるのも手です。
「世帯主手当」や「住宅手当」などは、「世帯主」であることが最低要件だったりします。旦那様の会社には「世帯主手当」や「住宅手当」がないが、奥様の会社にこれらがあるとしたら、どうするとよいでしょうか?そんなときは、「世帯主分離」・「世帯主変更」を市町村役場に「世帯主変更届出書」を提出する等で、奥様が(も)世帯主になることができ、会社から「世帯主手当」「住宅手当」をもらうことができるようになるかと思います。ただ、旦那様の「年末調整」の右上の「世帯主」欄に奥様の氏名を書くことになりますので、旦那様と相談の上、役場・会社とも事前連絡した上で、行動に移した方が良いかと思いますよ。

【お手当が増えるとなにか不利になることはないの?】
これらのお手当は、すべて、所得税・住民税における「給与所得」の「収入金額」に算入されるものとなります。厳密には、収入金額の階層に応じた「給与所得控除額」という所得を下げる要素こそありますが、簡単には、「お手当が増えれば、所得も増え、税金や社会保険料の納付も増える」と考えて良いかと思います。まず、ここが基本になります。
<税金の面>
お手当を収入金額として、給与所得金額を算定し、所得税は累進課税、住民税は10%が課税されるイメージです。
15万円以下の公共交通による通勤手当、長期勤続記念品など、給与所得が「非課税」扱いとなるものもあります。所得には影響しないことから、税金は増加しない要素となります。これも知っておきたい事項です。
また、旦那様の稼ぎが奥様の稼ぎよりも多い場合で、奥様の所得が48万円以下(R2より)であるとき、配偶者控除を旦那様につけたりします。配偶者特別控除という考え方もあり、奥様の所得の増加に応じて段階的に減少するシステムで、奥様の所得が133万円を越えてくるとこれが適用なしとなることとされております。以前は、所得税103万円の壁、住民税98万円の壁と言われていた考え方に近いものであり、あえて奥様の所得を抑えてきたという社会現象がありましたが、アベノミスクで配偶者控除・配偶者特別控除の早見表が複雑に分岐したため、さらに混沌としたものになったといえるでしょう。このように、算定が複雑化してFPしにくくなりましたが、奥様の働き方コントロールがなくなったわけではないことが言えるかと思います。
<社会保険料の面>
また、お手当が増えることで、「社会保険料」も気にする必要が出てきます。社会保険料を算定する「標準報酬月額」という考え方があります。「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」をもって標準報酬月額とするのですが、ここには通勤手当が入ってきますので、注意が必要です。通勤先と距離があり、高い定期代の人などは試算の計算間違いをした場合、影響が大きいのでここは慎重に計算しましょう。
さらに、旦那様の扶養に入っている奥様でしたら、以前の130万円の壁といわれていた部分も気になるかと思います。ギリギリ超えるような稼ぎ方ですと、旦那様の扶養から外れて、奥様自身で社会保険料に入る必要が出てくる関係で、家計全体のキャッシュフローが以前より下がり兼ねない事態も起きうるものです。日本の社会保険料の7不思議みたいなもので、奥様が働き方をコントロールする最大の要因となっておりました。

全体論としては、以上を意識して頂ければと思います。
まとめとしては、お手当が増えることを事前に想定して、収入、税金、社会保険料など総合的に勘案する必要があるということになりますね。


この度は、「ファイナンシャルプランニング事例対応逆引き事典」にお越しくださいまして、誠にありがとうございます。お陰様で10周年を迎えることができました!

当サイトは、現在、「あすも/道明誉裕税理士事務所」の「子サイト」として位置づけております。 現在も毎日ご利用頂いているお客様がいる関係で、引き続き管理運用しておりますが、2011年に制作したものであるため、ホームページのプログラミング上の構造が「旧式」のものとなっております。 また、今回ご覧頂いた内容について、ページによっては、お客様の求める情報としては、既に陳腐化した古いものとなっている恐れもあります。
以上、ご留意の上でご利用頂ければ幸いでございます。

 なお、インターネットセキュリティ上の安全な閲覧、最新情報の閲覧、お問い合わせ等につきましては、当サイトの親サイトである「あすも/道明誉裕税理士事務所」へ是非お越しくださいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。


「あすも/道明誉裕税理士事務所」公式ホームページへリンクします

2021年5月24日